詐害行為

詐害行為取消権は、必ず裁判上で行使しなければならないのでしょうか?詐害行為

詐害行為取り消し権について民法424条②は財産権を目的としない法律行為については、適用しないとありますが、ここで言う財産権を目的としない法律行為とはどういうものさすのかはっきりしません。
遺産分割協議は詐害行為取消権の対象となるのに対し、相続の放棄や離婚に伴う財産分与が対象となっていません。
この例でいう所の区別を教えて下さい。

財産権を目的としない法律行為とは、つまりは身分法上の行為です。
離婚による財産分与が原則として詐害行為取消の対象にならないのは、離婚という身分法上の行為に付随する法律行為だからです。
もちろんそれに仮託してなされた不相当に過大な部分は取消対象になります。
相続放棄が対象にならないのは、熟慮期間中という期間限定がある上に、そもそも債務者の財産ではなかった相続財産について相続放棄をしても積極的な財産減少行為に該当しないからです。
遺産分割協議については相続開始から長期を要することも多く、共同相続が成立した後での新たな物権変動となるので、財産権を目的とした法律行為として取消対象とされています。

2012/10/18 08:05:38

詐害行為取消権行使について質問です。
「取消権を行使した債権者は、その結果を取り戻す動産あるいは金銭を債務者ではなく、自己に引き渡すことを請求できる」とあるのですが、どういうことでしょうか??事例を交えながら教えていただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。

AがBに債権をもっている。
Bは無資力にもかかわらず、Cに唯一の財産である車(あるいは金銭)をCに贈与した。
Aが詐害行為取消権によってBC間の贈与を取り消した場合、AはCに対して、車(あるいは金銭)をBではなく自分に引き渡せと言えるということです。
因みに、Bが不動産をCに贈与して、Cに所有権移転登記した場合は、AはCに対して、自分に登記を移せとは主張できません。
この場合は、BC間の所有権移転登記を抹消することしかできません。
詐害行為取消権は、総債権者の担保を確保することが制度趣旨なので、後者の事例の扱いが原則です。
しかし、動産や金銭の場合は、Bが受領を拒否することがありうるので、Aが自分に渡せと言えるのです。
不動産の場合は、受領拒否を考慮する余地がないので原則どおりとなります。
ちなみに、AがCから金銭を受領した場合、BはAに対して、金銭の返還請求権を持ちますが、Aは、被保全債権と相殺することによって、事実上優先弁済を受けることができます。

2014/7/13 19:25:50

財産分与が詐害行為になる場合について。
「民法第768条第3項に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産分与であると認めるに足りるような特段の事情があるときは不相当部分についてその限度で詐害行為として取り消される」(最判平12.3.9)上記判例において、「財産分与に仮託してされた財産分与」とは、どういう意味なのでしょうか。
「仮託」の意味を調べたのですが、「財産分与にかこつけてされた財産分与」となり意味不明なんです。
昔の判例では「財産分与に仮託してされた財産処分」(最判昭58.12.19)となっていますが、それでもよくわかりません。

最判平12.3.9 は 「財産分与に仮託してされた財産処分」 と言っています。
「財産分与に仮託してされた財産分与」という記述は、端的に言えば【間違い】です。
仮託して → 装って、偽装して くらいに思っておくとよいでしょう(判決理由の中では別の言葉を使っていますが)。
財産分与に仮託してされた財産処分 → 財産分与を装って、偽装してされた財産処分参照:内田貴・民法Ⅲ 308ページあたり1 本件合意は、Dが上告人に対し、扶養的財産分与の額を毎月一〇万円と定めてこれを支払うこと及び離婚に伴う慰謝料二〇〇〇万円の支払義務があることを認めてこれを支払うことを内容とするものである。
2 離婚に伴う財産分与は、民法七六八条三項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情のない限り、詐害行為とはならない(最高裁昭和五七年(オ)第七九八号同五八年一二月一九日第二小法廷判決・民集三七巻一〇号一五三二頁)。
このことは、財産分与として金銭の定期給付をする旨の合意をする場合であっても、同様と解される。
そして、【要旨一】離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意がされた場合において、右特段の事情があるときは、不相当に過大な部分について、その限度において詐害行為として取り消されるべきものと解するのが相当である。
3 離婚に伴う慰謝料を支払う旨の合意は、配偶者の一方が、その有責行為及びこれによって離婚のやむなきに至ったことを理由として発生した損害賠償債務の存在を確認し、賠償額を確定してその支払を約する行為であって、新たに創設的に債務を負担するものとはいえないから、詐害行為とはならない。
しかしながら、【要旨二】当該配偶者が負担すべき損害賠償債務の額を超えた金額の慰謝料を支払う旨の合意がされたときは、その合意のうち右損害賠償債務の額を超えた部分については、慰謝料支払の名を借りた金銭の贈与契約ないし対価を欠いた新たな債務負担行為というべきであるから、詐害行為取消権行使の対象となり得るものと解するのが相当である。
4 これを本件について見ると、上告人とDとの婚姻の期間、離婚に至る事情、Dの資力等から見て、本件合意はその額が不相当に過大であるとした原審の判断は正当であるが、この場合においては、その扶養的財産分与のうち不相当に過大な額及び慰謝料として負担すべき額を超える額を算出した上、その限度で本件合意を取り消し、上告人の請求債権から取り消された額を控除した残額と、被上告人の請求債権の額に応じて本件配当表の変更を命じるべきである。
これと異なる見解に立って、本件合意の全部を取り消し得ることを前提として本件配当表の変更を命じた原判決には、法令の解釈適用を誤った違法があるというべきであり、この違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。
論旨は右の趣旨をいうものとして理由があり、原判決中被上告人の予備的請求に関する部分は破棄を免れない。
さらに、職権をもって判断するに、被上告人の予備的請求につき、主文において本件合意を取り消すことなく詐害行為取消しの効果の発生を認め、本件配当表の変更の請求を認容すべきものとした原判決には、法令の解釈適用を誤った違法があり、この違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決中被上告人の予備的請求に関する部分は、この点においても破棄を免れない。
以上のとおりであるから、原判決中被上告人の予備的請求に関する部分を破棄し、右部分については、本件合意のうち取り消すべき範囲及びこれに基づく配当表の変更につき、更に審理を尽くさせる必要があるから、本件を原審に差し戻すこととする。
よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

2012/10/12 07:38:26

土地引渡請求権を被保全債権として、詐害行為取消権を行使する場合法律を勉強している学生です。
民法の詐害行為取消権(424条)について教えていただきたいです。
勉強不足なもので読みづらい箇所、矛盾点などありましたら申し訳ありません。
精進してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
本人A|B→X→Y転得者Bが、Aの代理人と偽り、A名義の土地をXに売却してしまった。
それに気づいたAは、Xに対して返還の交渉をした。
しかし、Xは交渉途中であったが、土地をYに売却してしまった。
上のような場合、Aは詐害行為取消権を行使して、X→Yの譲渡を取り消し得ますか?判例(最大判昭36.7.19)は、被保全債権が特定物債権であっても、詐害行為取消権を行使するまでに金銭債権(損害賠償請求権など)に転じていれば詐害行為取消権を行使できる、としているようです。
しかし、A→Xの損害賠償請求は可能なのでしょうか?無権代理行為はそもそも効力を有しないことから、XはAに対して土地の返還債務を負うとして、それを詐害行為取消権の被保全債権とするのでしょうか…。
とはいえ、無権代理行為の相手方Xにも、催告権が認められていますし、無権代理行為であったことからただちに土地返還債務を負うというのもおかしいなぁと思うのですが……。
補足回答をくださったみなさま早速のご回答有難うございます。
補足ですが、A→XYBにいかなる請求ができるか、という設問おいて、A→Yの請求がどうしても思い浮かばなかったので質問させていただきました。
不法行為による損害賠償か、A→Yの返還請求を肯定した上での抹消登記請求、および詐害行為取消を検討しておりました。
丁寧なご説明ありがとうございました。

チエリアンではございませんが…。
<無権代理について>まずB→Xについてです。
この契約が有効となるためには表見代理の適用が問題になります。
基本的にはXの善意無過失が必要で、なおかつ表見代理の3パターンのどれがを満たす必要があります。
満たさなければ単なる無権代理行為ですから、Aが追認拒絶をすれば契約は無効です。
無権利のXがYに売ることもできません。
無効な契約です。
一方何らかの要件を満たし、表見代理が成立するとしましょう。
この場合はXは土地を確定的に取得し、AはBに対して損害賠償を請求することができます。
(債務不履行や不法行為)しかし表見代理は転得者には適用されません。
ですのでYが土地取得後にAに対して土地を請求することはできません。
Xが確定的に取得する必要があります。
<債権者取消権について>そもそも問題になりません。
たしかにAはBに対して損害賠償を請求できますが、Bが勝手に売却した不動産はA所有のもので、Bの代理行為前後でBの資産には変化がありません。
(しいて言うなら売却代金が入ります。
)Aとしては売却代金債権を代位行使したり、再建を差し押さえたりすることになります。

2015/4/11 15:17:17

丁寧なご説明ありがとうございます。
A→Xへの損害賠償請求債権を被担保債権にできないかと考えていたのですが、
それも難しいようですね。
A→Yの請求についても解説していただき、大変参考になりました。
有難うございました。
>

詐害行為性に関する新法の二元的システムとはなんですか?

財産減少行為と偏頗行為を体系的に別物として考える、ということでしょうか?偏頗弁済というのは、債権者が受け取れる総額は変わらなくとも、そのバランスを失する(一部の債権者が有利になる)ような弁済を言いますが、旧法下では少なくとも条文上は財産減少行為(不相当な価格での売却など)と偏頗行為(弁済行為など)はいっしょでした。
しかし新法では偏頗行為か財産減少行為かで適用条文が分かれ(「二元的システム」?)、この点破産法と軌を一にすることとなりました。
ちょっと文脈がないので、このことを指していないのでしたらすみません!

2018/1/28 15:04:15

民法について質問です。
詐害行為取消権債務者の財産処分行為当時に資力があれば、その後に無資力となっても詐害行為は成立しないぎりぎり債権者に弁済できるだけの金を残しておいて他の財産を人に贈与したうえで、金を生活費として使い果たした場合、詐害行為取消権の行使はできないということですか??

「ぎりぎり債権者に弁済できるだけの金を残しておいて他の財産を人に贈与したうえで、金を生活費として使い果たした場合」とは、法的に評価すれば、弁済出来るだけの金員を残していないと捉えるべきでしょう。
生活費を入れて弁済できる金銭を残しているのであればいいのですが、質問例でいえば、そもそも弁済できるだけの金員を残していませんから、詐害行為取消権を行使できます。

2016/7/29 11:23:22

回答ありがとうございます。
では、債務者の財産処分行為当時に資力があれば、その後に無資力となっても詐害行為は成立しない
とはどういった場合をさすのでしょうか?
債務者が今後自身が無資力になることを想定したうえで財産を詐害の意思を持った上で処分しても詐害行為取消権は行使できないのですよね??
財産処分行為時の資力の有無より、財産処分についての詐害の意思を優先しないといくらでも逃れることができると思うのですが、なぜこのような規定になっているのですか??>

債権者が受益者を相手どって詐害行為取り消しの訴えを提起しても、その前提となる被保全債権について消滅時効中断中の効力を生じない、と判例にあるのですが。
被保全債権って詐害行為と関係あります?なんだかよくわからないので誰か説明して下さると助かります。

詐害行為取消権は被保全債権を保全するためのもの制度の目的が関係ないと疑問に思うことが全く理解できない。
君の質問は詐害行為取消権って何か全然わからないから教えろってバカによくあるパターン?だったら怠けないでウィキペディアなり、テキストなり読んでから聞けば?ウィキペディアなりテキストなりを10回読んでも手がかりすらわからないほどの低脳なら聞くだけ無駄。
その時は勉強を諦めよう最低限のことすらやらない怠け者には世間は冷たいし、ウィキペディアのコピペ以上の回答は無いぞ

2015/10/16 08:30:24

あれ、自己解決したって送ったと思ったのですが。すみません、反映されてなかったみたいですね。どうもお手数おかけしました>

債権者代位権と詐害行為取消権との違いは、何でしょうか。
債権者代位権は、自分に直接そのものを手に入れられるが、詐害のほうは、いったん本人に返すということでしょうか。
又、債権者代位のほうのお金は、他の債権者と分けないといけないのですか。
詐害行為取消権も、その点は同じですか。

①債権者代位(423)は債務者が第三債務者に対する権利を積極的に行使しない場合に代わりに行使する制度であり②詐害行為取消(424)は債務者が積極的に自らの財産を減少させる行為を取り消すものです。
いずれも債務者の責任財産の保全を図り、強制執行に備えるための制度であり、債務者の行為態様により規定が分かれているわけです(もっとも、後述のように詐害行為取消の方が取消という強力な効果があるため、行使の要件がより厳格です)①については、総債権者のための行使であるので、行使した権利の対価は債務者に帰属するのが大原則です。
しかし自分がやむをえず債務者の権利を代位行使している以上、代位権者には第三債務者からの弁済受領権限があります(債務者が自発的に受け取らないことがあるためです)。
しかし、その受領した金銭は債務者からしてみれば、代位権者の不当利得(703)です。
そこで、代位権者から債務者への被保全債権と相殺することで実質的な優先弁済となるというわけです。
(ただし金銭債権の代位行使に限った話です。
不動産については債務者への明渡し請求と移転登記手続きを求められるにとどまります)②これに対し詐害行為取消の場合、詐害行為を一方的意思表示により取り消す形成権的性格と責任財産の取り戻しという請求権的性格の折衷的制度と判例上解されています。
つまり取消権者と受益者、転得者との間で取り消しを行い、財産の所有権は受益者、転得者のまま、債務者の責任財産として(つまりは強制執行の目的物として)処理されるということとなります。
そして、425条は「総債権者のために」とあえて規定するので、本来的には取り戻し財産については取消権者は優先権が生じないのが原則です。
実際不動産譲渡取消の場合は、移転登記抹消(または所有権を債務者に戻す移転登記)のみしか認められず、動産の場合は取消権者が優先的引渡しを求められますが、結局は債務者への返還が義務付けられます。
しかし、金銭債権についての優先弁済的効力については、423条と同様の理屈で認められています。
(これは、本来相対取消を認める折衷説からはおかしい結論なのです。
受益者ないし転得者と取消権者の間でのみ取り消すので、債務者にはその効果が及ばないからです)以上より、他の債権者に先駆けて代位権者、取消権者は金銭債権の優先弁済を受けることが可能です。
あと①②の異なる点としては、・①は裁判上、裁判外の行使がいずれも可能であるが②は裁判上でしか行使不可である・被保全債権が金銭債権以外の物である場合、①制度については転用が認められるが(たとえば、登記移転手続請求の代位行使など)、②には認められないという点がありますね。

2011/7/20 14:30:16

民法初学者です。
詐害行為取消権の不動産の二重譲渡の論点です。
特定物債権が、結局損害賠償請求等により金銭債権と同じ効果になるから被保全債権となるというのはわかりました。
論証例の最後に、詐害行為時は特定物債権であっても良いが、詐害行為取消権行使の時までには金銭債権になっていることが必要である。
とあるのですが、この場合の金銭債権は損害賠償請求権のことでいいのでしょうか?

確かにその金銭債権とは損害賠償請求権を指しますが(民法417条 参照)特定物の二重譲渡の場合譲渡人が譲受人の一方に対抗要件を備えさせるとそれを備えさせた時点をもって他方に対する引渡債務などは「履行不能」に帰し(最高裁 昭和35年4月21日判決 民集14巻6号930頁)www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53523その時点をもって他方の特定物債権は金銭債権たる損害賠償請求権に「転化」する事になります。

2014/10/15 00:54:58

詐害行為取消権は、必ず裁判上で行使しなければならないのでしょうか?

そのとおり。
民法(詐害行為取消権) 第四百二十四条 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。

2016/2/28 05:53:20

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